【体験談】右卵管への子宮外妊娠(異所性妊娠)の症状について② 緊急手術から退院までの状況

2022年1月15日妊活

私は子宮外妊娠を2回経験しました。

それぞれ左右卵管への妊娠で、どちらも妊娠5週目から6週目頃に子宮外妊娠であるだろうということが分かりましたが、その2回は判明前から手術後まで全くといっていい程違う症状でした。

右卵管に妊娠した1回目の子宮外妊娠で経験した、緊急手術から退院までの状況について記載します。

右卵管への子宮外妊娠の「妊娠超初期症状から卵管切除手術までの状況」については 以下記事に記載しているので併せてご確認いただければと思います。

【体験談】右卵管への子宮外妊娠(異所性妊娠)の症状について① 妊娠超初期から手術までの状況

子宮外妊娠の緊急手術と術後の様子について

子宮外妊娠の緊急手術(月曜日)

私にとって人生で初めての手術。

しかも妊娠出来た!と喜んだタイミングから数日で、突然子宮外妊娠疑惑となり緊急入院からの緊急手術。心が全く追い付いていませんでした。

しかし命に関わることで待ったなしの状況なので手術するしかない。もう挑むしかありませんでした。

1回目の子宮外妊娠の症状は激痛だったので、この激痛な腹痛から解放されるんだから頑張ろう!と気持ちを奮い立たせ、手術へ向かいました。

手術当日は大部屋から1人部屋に移され、その部屋からベッドのまま手術室へ運ばれました。

手術室前で夫と母と別れる時、気を緩めるとすぐにでも号泣してしまいそうな状況でしたが、歯と心を食いしばり気丈なふりをして手術室へ入りました。

震えが止まらないくらいほんとは怖いけれど、恐怖を紛らわすために、手術室の自動ドアが開く感じ、ベッドから手術台へ移る感じ、そこから見える眩しい大きな電気を見て「わぁ、ドラマで見るやつだー!」と何度も心の中で唱えながら恐怖を感じないように努めました。

それこそドラマでよく見る、全身麻酔をかけられ数をカウントしました。

なんと次の瞬間には「みにいさ~ん、終わりましたよ。みにいさ~ん」と呼ばれ目が覚めるタイミング。

手術中は温かくて夢を見ていて気持ちよくて、まだ起きたくないよーと思いながら起こされたのを覚えています。

そのまま何回かうとうとして気が付くと1人部屋に戻ってきていました。

手術は実際は2時間半から3時間くらいかかると言われていたのですが、私にとっては麻酔をかけられてから本当に驚くほど一瞬の出来事でした。

しかし後から夫と母から聞いた話では、手術は2時間弱くらいで終わり、先生が説明に出てきたそうです。元々言われていた時間よりかなり短かったので、途中で何かあったのかと思って焦ったと言っていました。

結局右卵管での子宮外妊娠で、まさかの既に卵管破裂を起こしていたとのこと。

このタイミングで手術する以外選択肢はなかったと改めて気づかされ、生きて帰ってこれて本当に良かったと思いました。

おへそと下腹部の右、中央、左の計4ヵ所に穴を開けた腹腔鏡手術でした。

術後の大パニック

1人部屋で目が覚めると、鼻と口部分には酸素吸入器、脚にはエコノミー症候群防止のポンプ、尿管からは管が出ている状態。手術したお腹の傷は激痛で、物凄く目が回り気持ち悪い。そして声も出せない。といった状態でした。

そんな状態になるという説明を術前に受けていなかった私は、目が覚めた途端大パニックになりました。

色々と体中についているのが不快で外したくて、でも声を出したくても声が出ない。そしてパニック状態で上手く呼吸も出来ませんでした。(後から知りましたが、声が出ないのは手術中喉に管を入れておりそのせいで上手く声が出なかったものと思われます。)

身振り手振りで表現しようとしますが、ほんの少しでも体を動かすと激痛で身動きが取れない。目で訴えたくても世界が回っていて気持ちが悪くて目を開けるのも辛い。

手術をしたらお腹の激痛が治まると信じて手術に挑んだのに、術後の方が遥かに辛くて絶望したのと共に、余りの想定外の状況に大パニックになり呼吸が出来ず、息が止まって死ぬんじゃないかと思う程でした。

本当に辛くて怖くて、でも心配する夫や母に状態を伝えることも出来ない・・・。なんでこの辛さを分かってくれないの!?私の辛そうな様子から読み取って!!!!と怒りまで覚えました。

その後かなり時間をかけて、息が出来ないこと、酸素吸入器が顔についているだけでも不快で外したいこと、手術痕が痛すぎて痛み止めを使いたいこと、動けない為体重が集中して尾てい骨あたりが物凄く痛いこと、気持ち悪くて吐き気がすること、ほんの少しでもベッドに振動がかかると体に振動が伝わり痛いからベッドに触れないで欲しいこと、を必死に訴えました。

手術後は酸素吸入器を外してはいけないらしく、自分で呼吸が出来ても数時間は外して貰えませんでした。

また気持ちが悪いのは麻酔のせいだそうです。麻酔で酷く酔っているような状態になってしまっていたのです。

目を瞑っていると世界が回っている感が少しマシになるので目を瞑っていたのですが、喋ることもままならないので眠っていると思われ、それもまたイラつきの原因に。

「起きているんだから何か喋って痛みを紛らわせてよ!!」と心の中で思っていました。(でもそれすら言えない・・・!)

尾てい骨の痛み軽減の為に看護師さんに寝返り用のクッションを挟んで貰い、定期的に入れ替えて体の向きを変えて貰うのですが、そのほんの少し寝返りをさせられるのも痛い痛い・・・。

何もしていなくても痛いですが、寝返りを打たせて貰う度に手術痕も尿管の管も痛くて痛くて、本当に辛かったです。

痛み止めを入れてくださいと何度もお願いし、痛み止めが切れて次の痛み止めを入れても良い時間になるまでは本当に辛い辛い時間でした・・・。(そもそも痛み止めを入れていても痛かったです!)

手術後退院までの経過について

手術翌日の状況(火曜日)

手術した翌朝、看護師さんが起こしに部屋に来てくださり不快でたまらなかった脚のポンプを外していただけて、その流れで「歯磨きしましょう」と言われました。

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夜中中痛み止めを懇願し、ほんの少し体を動かすだけでも痛かったのに、どうやって歯磨きなんてするの!?とこちらは信じられない状況でした。確かにずっと口の中は気持ち悪いけれども・・・。

看護師さん的には何を驚いているんだろう?という半ば呆れた感じを醸し出しながら「起き上がって口をゆすぐだけでも。手伝いますから。」と仰います。

私としては本当に衝撃でしたが、やるしかないので、手伝っていただきお腹と尿管の痛みに耐えながら必死で座り体制まで起き上がります。

ベッドのテーブルを身体に近づけコップに入れていただいた水と歯ブラシで歯磨きをし、お皿のようなものにうがいをして水を吐き出します。

術後で痛い為お腹に力を入れることが出来ないので「吐き出す」という行為すら難しい。こんな少しの動作でも腹筋を使っているんだ・・・と驚きながらも必死に吐き出しました。そして吐き出した水がお皿に残り流れていかないなんて気持ち悪くて非常に抵抗があります。それを片付けて下さる看護師さんって本当に大変だなぁ・・・有難い・・・と思いながら頑張りました。

その後大部屋に戻され、お昼には全粥が出され、午後にトイレまで歩けるか確認すると言われました。

私としてはまさかの状況ですが、看護師さんから「おばあさんでも皆さん出来ますよ!!」と半ば怒られながら立つことを促されました。

この立ち上がりも、どうやって、どこに力を入れて立てば良いか分からない状況です。

「ど、どうすればいいでしょうか?」と看護師さんに尋ね、横向きになり、手をつかって体を持ち上げそのままスライドしてベッドに横向きに一旦座り、そこから立ち上がる、と教えていただきます。

お腹に力を入れられないのと手術痕が痛いというのは、本当に体をどう動かせば良いのかすら分からなくなるものでした。

手伝っていただきながらなんとか必死に立ち上がり、点滴の棒を使いながらトイレまでゆっくりゆっくり歩きます。

なんとかトイレまで行けることを確認して貰うと尿の管を外して貰えて、これからは自力でトイレに行くこと。となりました。

この尿の管を外されるのも怖いこと怖いこと・・・。しかし看護師さんの指示通り呼吸を整えると痛くなく抜いていただくことが出来ました。

その後はなるべく寝たきりにならずにせめてベッドに座るとか、歩く練習をするようにと言われ、痛いのを我慢しながら定期的にベッドに座ってみる、立って1、2歩歩いてみる、ということを心掛け過ごしました。

痛みと悲しみと戦いながら過ごしていた私ですが、最初は一応妊婦だったため実は”妊婦”扱として産婦人科に入院していました。

同じ部屋にはいなかったものの、近くの部屋から赤ちゃんの泣き声がしたり「おめでとうございますー!」という声が聞こえてきたり、お腹の大きい出産間近の妊婦さんとすれ違ったりして、更に精神的にやられました・・・。

手術後2日目の状況(水曜日)

手術後2日目になると今日はシャワーを浴びることが出来ると思うと言われます。

私としては動くこともやっとで物凄い痛みに耐え続けているので、シャワーなんてもっての他だと思うような状況でした・・・。

午前中はなんとかトイレに行けた状況で歩くこともままなりません。しかし点滴の棒を頼りに歩いていることも駄目だと言われ点滴の棒を取り上げられます。

回復に向け結構スパルタで厳しく工程を踏まされるんだなと感じました・・・。

「シャワー明日じゃ駄目ですか?」と頼んでみたのですが、今日入って欲しいと言われ、無理矢理シャワーを浴びました。

でも無理矢理やってみて感じたのは、シャワーを浴びる為にはどんなに痛くても、無理にでも色々な動きをしなければならないので、こうやって体を使わせて治していくんだな、ということ。

これも治療の一環なんだと痛感しました。自分では痛いし出来ない、無理、と思ってもこの状況下ではやるしかなく、意外と自分出来るんじゃん。と知るきっかけにもなりました。

そこからは歩く練習も頑張ってしたり、ベッドでも自力で寝返りをうつことが出来るようになりました。

そしてこの日シャワーを浴びるタイミングになってから知るのですが、本来は手術後1日目は何をして、2日目は何が出来るようになる、という計画表を貰っているのが通常のようです。

私は緊急手術だったからか説明が省かれてしまっていたことをこのタイミングで知りました。(本来あってはいけないことな気がしますが・・・)

私がその日何をするか把握しておらず驚くため、計画表に書いてあるでしょう!?と言われ、そんなもの貰っていません・・・と気付くことになりました。。

手術後3日目の状況(木曜日)

手術後ずっと出血が続いていたのですが、出血量が物凄く増え、生理2日目より断然多い出血量で夜用ナプキンをしていてもベッドを汚してしまう程で少し心配になりました。

手術後初めての内診があり、エコーでも見ていただきました。術後の内診やエコーは非常に怖くて心配でしたが、対応して貰うと意外と大丈夫でした。

経過は順調で出血が続くのも通常のことだから大丈夫とのこと。そして翌日(手術4日目)に退院出来ることになりました。

私としては出血も増えていて心配なのと、動けないのに家で過ごすのも不安だったのと、手術5日目が土曜日で夫も来やすかったことから、最初退院をもう1日延ばすことを先生と相談しました。

しかしトイレに行く時にお腹の大きな妊婦さんと出会ったり、フロアから聞こえてくる赤ちゃんの声やHAPPYな声に疲れても来ていて、だんだん早く家に帰りたいという気持ちが強くなって、結局手術4日目の金曜日に退院することにしました。

手術後4日目退院日の状況(金曜日)

手術4日目は朝、昼どちらまでの食事を摂るかを病院と約束が必要でした。

午後退院することにするとお昼も病院食を摂るとカウントされるので、午前中退院にして朝ご飯は病院食を食べ、痛み止めを飲んで退院準備でベッド周りの片付けをして過ごしました。

午後から仕事に行く夫と母に迎えに来てもらい、車で帰宅しました。

まだ手術痕が痛すぎるので車の少しの揺れにも大騒ぎしながらの帰宅でした。1週間ぶりの自宅はとても安心出来て、帰ってこれて良かったと心の底から感じました。

まとめ

妊娠出来た!と喜んだタイミングから数日で、突然子宮外妊娠疑惑となり緊急入院からの緊急手術となり、悲しさと不安の中人生で初めての手術を経験しました。

子宮外妊娠の対処法は手術以外の選択肢もあることを知りましたが、私の場合は結局卵管破裂をしていた為、手術を選択し本当に良かったと思います。

しかし、手術後の痛みや気持ち悪さは全く想定していなかったので、本当にパニックに陥りました。

どんな手術になるかだけでなく、手術後どのような状況になるのかあらかじめしっかり説明を受けておくことが大事だと思いました。

手術後の状況の説明や次の日からの計画表が貰えていなかったのは、病院側の対応がまずかった気がしますが、初めての経験だった為私もそれに気づかず、余計パニックが大きくなりました。要注意です。

入院手術費用は以下記事にまとめています。

子宮外妊娠手術費用はいくらかかる?実際かかった費用について